ヘアオイルの使い方:つけるタイミング、種類、そして限界
ヘアオイルは洗う前と洗った後で役割が変わります。つけるタイミング、種類の選び方、適量、頭皮に使わないほうがよい場合を解説します。
結論
ヘアオイルは、洗う前の乾いた髪に使うか、洗った後の濡れた毛先に数滴使うかで役割が変わり、前者では研究室の試験でココナッツオイルが洗髪時のタンパク質の流出を減らしたと報告され、後者は摩擦を減らしてツヤを出します。髪を早く伸ばす、抜け毛を止めるという根拠はありません。少量を中間から毛先につけ、フケや脂漏性皮膚炎がある場合は頭皮に使わないでください。
ヘアオイルは、話が極端になりがちなアイテムです。髪が生き返る万能品として語られることもあれば、気休めだと言われることもあります。
研究が示しているのはその中間です。2022年に International Journal of Trichology に掲載されたレビューは、ヘアオイルが髪と頭皮に与える影響はまだはっきりせず、多くは主に表面をやわらかく保つものだと結論づけています。ただ、一部はきちんと測定されており、知っておく価値があります。
ヘアオイルの種類:中に入るオイルと、表面にとどまるオイル
| オイルの種類 | ふるまい | 向いている使い方 |
|---|---|---|
| ココナッツ | 髪の内部に入る。最も研究されている | 洗う前。髪がごわつくと感じる人も少数いる |
| オリーブ、アボカド | 一部の試験で多少入る | 洗う前。太めの髪に |
| アルガン、ホホバ | ほぼ表面にとどまる | 洗った後の毛先に数滴 |
| ミネラルオイル | 中に入らない。水分の蒸発を遅らせる | 仕上げ |
| ひまし油 | 非常に重い | ごく少量を、軽いオイルで薄めて |
日本で親しまれている椿油は、平安時代から髪の手入れに使われてきたとされ、主成分はオレイン酸です。ただし、この表のもとになった比較研究の対象には含まれておらず、髪の内部への浸透を測定した信頼できるデータは見つけられませんでした。「浸透する」という説明は、根拠を確かめて受け取ってください。
ローズマリーなどの精油を足す場合は、原液のまま肌につけないでください。
わかっていること、わかっていないこと
最も根拠があるのは、ココナッツオイルと洗髪時のダメージの関係です。ただし、これは毛髪を使った研究室の試験で、人を対象にした臨床試験ではありません。
- 2001年の研究では、ココナッツオイルは毛髪の内部に入り、ミネラルオイルは入りませんでした。
- 2003年の研究では、3種類のオイルのうち、未処理・ダメージ毛の両方でタンパク質の流出を大きく減らしたのはココナッツオイルだけで、ひまわり油とミネラルオイルでは見られませんでした。
- 2021年の毛束の研究では、差の多くは1回ではなく20回の洗髪を経て明らかになりました。
| よくある主張 | 言えること |
|---|---|
| 洗髪時のタンパク質流出を減らす | 研究室の試験で支持(ココナッツオイルについて) |
| ツヤが出る、摩擦やもつれが減る | 薄い膜が表面をなめらかにするため、説明がつき、自分でも確かめやすい |
| 乾燥した頭皮をやわらげる | よく言われるが、質の高い試験は不足 |
| 髪が早く伸びる、太くなる | 十分な根拠なし |
| 抜け毛が止まる | いいえ。オイルでは対処できない原因がある |
| 枝毛が元に戻る | いいえ。次の洗髪まで見た目が整うだけ |
ヘアオイルのつけるタイミング
洗う前(乾いた髪)。 髪の保護が目的なら、水に濡れる前につけます。髪は濡れると膨らみ、その過程でタンパク質が失われます。髪に入ったオイルがこの膨らみを抑えると考えられています。
洗った後(タオルドライ後の濡れた毛先)。 日本でよく見られる「洗い流さないトリートメント」としての使い方です。アルガンなどの軽いオイルを数滴。摩擦を減らし、ツヤを出します。
乾いた髪の仕上げ。 パサつく毛先をまとめたいときに、ごく少量を使う人もいます。比較した研究は見当たらないので、ベタつかない量を自分で探してください。
ヘアオイルの使い方:洗う前のオイルケア
- 乾いた髪のもつれをほどきます。
- 少量を手のひらで広げます。 肩の長さで小さじ1杯程度から。長い髪や毛量の多い髪は多めに、細い髪はかなり少なめに。温める場合は、ごくぬるい程度にし、必ず手首で確かめてください。
- 中間から毛先につけます。 最も古く、傷みやすい部分です。
- 頭皮は合う人だけ。 爪を立てず、指の腹で軽く。
- そのまま置きます。 30分以上、合うなら一晩。ゆるくまとめ、きつく結ばないでください。
- いつもどおりシャンプーとコンディショナーをします。
放置時間は「30分から一晩」が一般的な目安で、研究でこれ以上は絞り込めません。頻度も週1回を出発点に、細い髪やペタッとする髪は減らしてください。頻度を比べた試験はありません。
オイルが多すぎると、ベタつき、ペタッとする、落ちないという悩みにつながります。シャンプーが2回必要なら、まず量を減らしましょう。
頭皮につけないほうがよい場合
フケや脂漏性皮膚炎がある。 マラセチアは脂質を利用し、培養試験ではオリーブ、ココナッツ、ひまし油などで増えました。頭皮用オイルが悪化させる可能性を指摘した2023年の報告もありますが、臨床試験で確かめられたものではなく、あくまで用心としてです。フケのガイドも参考にしてください。
生え際にブツブツがある。 額についたオイルやスタイリング剤で、ニキビのようなブツブツができることがあります。生え際を避けて様子を見てください。
細い髪、ペタッとしやすい髪。 毛先だけに、少量にしましょう。
よくある質問
ヘアオイルはいつつけるのがいいですか?
目的によって変わります。洗髪時の負担を減らしたいなら洗う30分以上前の乾いた髪に。摩擦を減らしてツヤを出したいなら、洗った後の濡れた毛先に数滴です。どちらが上ということではなく、役割が違います。
ヘアオイルで髪は伸びますか?
髪を早く伸ばすという十分な根拠はありません。髪は毛穴の奥でつくられ、髪の表面につけたオイルはその仕組みを変えません。傷みを抑えることで、伸びた分の長さを保ちやすくなる可能性はありますが、それは成長とは別のことです。
ヘアオイルはどのくらいつければいいですか?
洗う前に使うなら、肩の長さで小さじ1杯程度から。洗った後の仕上げなら数滴から始めます。細い髪はさらに少なく。落とすのにシャンプーが2回必要なら、多すぎるサインです。
ヘアオイルを頭皮につけてもいいですか?
頭皮の状態によります。乾燥でつっぱる頭皮がやわらぐと感じる人もいますが、脂漏性皮膚炎に関わるマラセチアは脂質を利用します。フケ、赤み、かゆみがあるときは毛先だけにして、まず原因を確かめてください。
ヘアオイルをつけたまま寝ても大丈夫ですか?
多くの人は問題ありません。枕を保護し、きつく結ばずゆるくまとめて、額にオイルがつかないようにしてください。生え際に小さなブツブツができることがあります。
ヘアオイルはアイロンの前に使えますか?
熱から髪を守るものとして当てにしないでください。アイロンを使うときは、温度を下げ、同じ場所に何度も通さないことのほうが大切です。
Kera はヘアケアに関する情報を提供するもので、医療上の助言ではありません。病気の診断や治療は行いません。急な抜け毛や部分的な脱毛、頭皮の症状がある場合は医師にご相談ください。